数学科だより
2025.02.05
その1 ツォグジャルガル先生本校ご訪問
1月20日(月)~25日(土)の一週間、本校の学術提携校であるモンゴル国ウランバートルの私立新モンゴル学園から、ツォグジャルガル先生(数学科)が来校されました。
今回のご来校は、コロナ禍で中断していた両校による教員往来の再開第一弾となります。
同先生は、本校の中1(テーマは加比の理)、中2(同三平方の定理)、中3(同平面幾何における回転の効用)の多くのクラスに、特別授業をしてくださいました。
▲中学3年の授業より
▲中学1年の授業より
生徒たちは、口々に「新しい視点を得た」や「モンゴルの数学難しいけれど、先生の説明が丁寧でよく理解できたなどと話していました。
また、新モンゴル学園で行っているという「数学リレー」なるイベントをご紹介くださり、エキシビションマッチを行いました。
問題は、同先生が、主にモンゴルの数学オリンピアードの問題から出題され、中1から高1まで、数学の精鋭が各クラス一名ずつ、計32人が選出されて出場。個人戦と団体戦を行いました。
▲クラス対抗戦風景
団体戦では、中1から高1までのチームメイト4人による真剣なブレーンストーミングが見られました。
▲団体戦風景
結果、エキシビションとは思えぬ白熱した戦いの連続で、決勝戦が終わったところで同点が2チーム(満点同士!)の劇的な展開となりました。
最終の早押し問題は、難解なパズル的問題で、制限時間内に勝敗が決するか危ぶむ間もあらばこそ、中2の生徒が解答を提示。
その間わずか30秒。
いくらなんでもそれは…の推測を覆し、見事正解。
勝者の雄叫びをあげるなか、会場から惜しみない拍手が送られ、閉会式となりました。
プレ的に行ったイベントでしたが、関係者一同、大きなイベントに育み得ると実感した次第です。
▲優勝チームの4人
▲数学リレー大会参加者による集合写真
最終日は、本校数学部と十年以上の交流を頂いている横浜サイエンスフロンティアさんにお伺いし、全国的な数学イベントである「マスフォーラム」に本校中1の松田颯君、中3の太田宥君、新将直君の3人と共に参加されました。
同先生は、日本各地の先生方や生徒の皆さんたちと、数学研究の工夫や苦心について熱心に意見交換をされていました。
この一週間のご滞在は、両校にとって実りあるものとなりました。
ツォグジャルガル先生、このたびのご来校、誠にありがとうございました。
今度は、是非、わたくしどもがウランバートルにお伺いします。
そこで再会いたしましょう。
▲本校生徒と通訳を務めてくださった在日本新モンゴル卒業生とともに
その2 YSFにて行われたマスフォーラムに本校生徒3人が参加
1月25日(土)に、本校数学部と10年以上の交流を頂戴しているYSF(横浜サイエンスフロンティア中高)にて,全国的な中高生の数学研究発表会である「マスフォーラム」が行われました。
東北地方から九州地方まで、実に約400名もの生徒がこの祭典に参加しました。
本校からは中1の松田颯君(テーマは、コラッツ予想について),中3の太田宥君(テーマは、重心座標の幾何学)、同じく新将直君(テーマは、傍心の織り成す幾何学)が参加しました。
3人ともオリジナルの新しい結果を得ていることが出色といえます。
松田君は、ポスター発表を、また、太田、新の両君は、ポスター発表のみならず、講演発表を行い、皆それぞれ、参加者ならびに引率の先生方から大きな反響を頂戴しました。
このような交流会では、他校の生徒の皆さんや教員の皆さんとの知己を得られることが大きな喜びであり、早速、本校で開催予定の数学交流会への参加の打診をさせて頂き、再会を約しました。
同行された、来日中のツォグジャルガル先生は、「日本の中高生がこれほどまでに、立派な研究をし、それを巧みに発表する能力はいかに養われるか、について興味は尽きません」とのことで、参加者の多くに取材されていました。
なお、本校数学科、数学部では来月や再来月に、数学の授業での研究発表会や、数学部での研究交流会が予定されています。
このような活動を通して、多くの生徒が数学の楽しさ、深遠さを味わってほしいと思ってやみません。
(数学科)
▲左から松田君、太田君、新君
▲松田君の発表風景
▲新君の発表風景
▲太田君の発表風景